ラブライブノート lovelive note

Lovelive is one of the best "art"s of Japan. どうか、多くの人に届きますように。

勇気はどこに?君の胸に!

どんな曲?

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・アニメ(サンシャイン)2期ED曲

Aqoursらしい、やるっきゃない!タイプの歌詞

・曲調は疾走感がある BPM = 167

・人気は意外と低い

・が、ラブライブ!サンシャイン!!シリーズの集大成とも言える名曲

(作詞:畑亜貴 作曲:小高光太郎UiNA)(敬称略)

 

どういうところが名曲なの?

忠実な Aqours-minded lyrics × 感動的な melody line 

 ここまで忠実にAqoursの精神を反映した曲があるでしょうか。

 1、2番ももちろん良いのですが、このあと、2番終わりのDメロ(サビをCメロ扱い)の歌詞と旋律がまず素晴らしいです。

やり残したことなどない

そう言いたいね いつの日にか

そこまではまだ遠いよ

だから僕らはがんばって挑戦だよね

 で、普通ならこれで大サビに入るじゃないですか。違うんです。間奏のあと、たった6小節なんですけど、Eメロでもう1段階上に持っていくんです。

あぁ熱くなる君がわかりかけて

 ここからすぐに、千歌のソロパートに移ります。

心が求める誇らしさ

走り続けてつかめるミライ

夢がたくさん(8人)

夢がたくさん(8人)

消えない夢が…(全員)

 静かな熱意を感じさせる千歌の独唱から、音階を上げて盛り上がりを見せる千歌と8人の掛け合い。そしてラストをもう1小節長くしたところを全員で歌うことで、最高点を演出します。そして一気に大サビへ…

何度だって追いかけようよ 負けないで

失敗なんて誰でもあるよ

夢は消えない 夢は消えない

何度だって追いかけようよ 負けないで

だって今日は今日で だって目覚めたら違う朝だよ

 1番・2番のサビと比べ、よりいっそう生き生きと、そして全力で歌われているような印象を受ける点も、感動的です。

ああ太陽が

笑いかけるよ

  終わりの2小節がもう2回繰り返されるという演出も、Aqoursの「さあここからだ!」という意気込みを感じさせます。それは、同時に私たちへの激励にもなっています。つまり、自分たちを鼓舞しつつ、その姿でファンを勇気づけているのです。だからこそ、“勇気はどこに?君の胸に!”なんですね。

 最後は、ピアノがふわりと流れるように消え、滲むように音が広がって名残となります。こんな歌詞がなぜ書けるんでしょうか。こんなメロディ展開をなぜ考えられるんでしょうか。

アカペラverの存在(ネタバレ注意)

 本曲ですが、アニメ2期11話の最後では別バージョン(アカペラver)が使用されています。

 こちらは2番終わりで無音になり、数拍遅れてアカペラでDメロに入るんです。閉校祭の最後の最後、火を囲んで浦の星女学院の生徒全員で歌うDメロは、美しさ・儚さ・寂しさ・友情…さまざまなものを感じさせられます。まさに圧倒的と言うほかないでしょう。

やり残したことなどない

そう言いたいね いつの日にか

 合唱が最後まで続くかと思いますが、そうではありません。

そこまではまだ遠いよ

だから僕らはがんばって挑戦だよね

  “そこまでは”で再び伴奏が入り始め、“だから僕らは”で盛り上がりを見せたあと、再び音を落とし、千歌の独唱“がんばって挑戦だよね”。余韻を残し、去りゆく波のように曲は終わりを迎えます…

 本当によく練られた構成だと思います。

 そして、特筆すべき点は、本曲が初めて聞く曲ではなく、アニメ2期のエンディングで何回も使用してきた曲である、という点です。EDで本曲と同時に流れている映像は、登下校時の風景や浦の星女学院の日常の一コマを集めてきたものです。そんな日々との別れを告げる閉校祭で、この曲を全校生徒で歌う。これほどに感動的な演出があるでしょうか。これを超えるようなアニメEDの活かし方が生まれることは、おそらく二度とないでしょう。