こんにちは、ピカさりべと申します。
5月1日から2日連続で『ラブライブ!The School Idol Movie』『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』がEテレにて放送されたことを受けて、久しぶりにラブライブの考察を書こうと思いました。
ここでは材料を整理するだけにとどめておき、細かい考察は誰かに託したいと考えています。もしどなたか考えてくださる方がいらっしゃれば、ぜひこの記事などを参考に深めていってほしいです!ラブライブ!学会(↓下リンク参照)で発信していただけると尚更嬉しいので、ぜひご検討ください。
Aqoursの文字
さて、今回注目するのは、砂浜に書かれたAqoursの文字です。
劇場版では、まさに最後のシーン、2人が「Aqoursの聖地」に訪れスクールアイドルになりたいと語る場面で登場しますが、実は筆跡は何種類か存在します。どこに書かれたものかも併せて整理していきたいと思います。
アニメ, 劇場版で登場する全ての「Aqours」の文字を一挙に載せた画像がこちらです。各々について見ていきましょう。
#1,2 CM前後
まず左上の2つから。TVアニメで、毎話CM明けに映るカットですね。
▲ TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」1期・CM明け
▲ TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」2期・CM明け
筆跡を見ると、線の細さも違えば書き方も違います。特に"q"と"S"の字体が特徴的です。誰が書いたものかはわかりません。
場所については、明確にはわかりません。ただ、砂浜の窪みを見た感じから判断するに、この2枚は同じ場所のようです。
この後の展開は、
#3,4 1期3話「ファーストステップ」, 1期9話「未熟DREAMER」
劇中に2回登場しているので、一番有名な筆跡かもしれません。
▲ 1期3話「ファーストステップ」より
▲ 1期9話「未熟DREAMER」より
グループ名が決まっていない3人が色々な名前を考えていたときに、偶然出会ったAqoursの文字。これはのちにダイヤさんが書いたものだと判明しました。たしかに同じ筆跡となっています。画角も左後方からとなっており、ほぼ同じですね。
場所は勘違いしやすいので要注意です。三津海水浴場 (安田屋旅館 = 十千万旅館 の前の砂浜) ではなく、3人が当時練習場所としていた島郷海水浴場です。
ちなみに、1期3話の直前のシーンでは、考察の鍵になりうるカットが存在します。この筆跡を残したのは千歌, 曜, 梨子の3人のうち誰か (複数の可能性あり) なので、他の文字を書いたのが誰かを考察するときにも使えそうです。
また、この後の展開ですが、文字自体に対する変化は特にありません。
▲ 1期3話「ファーストステップ」より
#5 2期10話「シャイニーを探して」
次は少し期間を空けて、2期10話「シャイニーを探して」からです。
▲ 2期10話「シャイニーを探して」より
2期10話は3年生にフォーカスした回で、その前半、3年生の卒業という事実に向き合う千歌, 曜, 梨子を描いたシーンでAqoursの文字が登場します。これは千歌が書いたものでした。ダイヤさんの筆跡とは少し違って、"u" の右下をしっかり書いていたり、"s" の最後を丸く書いていたりします。ただ、画角は左後方から。ほぼ同じ映し方です。
場所については、このシーンの前後に映っている風景から、島郷海水浴場と判断できます。こちらも三津海水浴場ではありません。
この後の展開についても、ダイヤさんの筆跡と同様です。
#6 2期11話「浦の星女学院」
続いて登場するのは、2期11話「浦の星女学院」です。
▲ 2期11話「浦の星女学院」より
2期11話は閉校祭の回です。閉校祭の終盤、キャンプファイヤーを全校生徒で囲む場面を覚えていらっしゃるでしょうか。学校を守れなかった自責の念から「ごめんなさい」を繰り返す鞠莉。しかし、むつから生徒, 教師, 地元の人たち…その場にいた全員に広がったAqoursコールと、ダイヤの後押しを受けて、再び鞠莉は顔を上げました。
みんな、ありがとう!
じゃあ、ラストに、みんなで一緒に歌おう!
最高に明るく、最高に楽しく、最高に声を出して!
ここからいつも通りED『勇気はどこに?君の胸に!』に入りますが、サビ終わり「違う朝だよ」からさらに先があります。Cメロ前の間奏へと移行したのち、キャンプファイヤーを囲む "Aqoursと浦の星の仲間たち" でCメロを合唱し、千歌の「頑張って挑戦だよね」で締め括るという、非常に感動的な特殊EDでした。
そして、Cメロへとつなぐ間奏の部分でAqoursの文字が登場しました。
▲ 2期11話「浦の星女学院」より
この「Aqours」は誰が書いたものかわかりません。映像でこの文字を書くシーンは見当たらないだけではなく、筆跡も #1~5 の筆跡とは一致しません。特に"S"が大きい点が特徴的です。ちなみに、"u"は #5(千歌ちゃんの筆跡) と同様に小文字寄りの書き方になっています。画角も #3~5 とは異なり、正面後方からとなっています。
場所は、直前のカットで 1) 夕日が沈むところに浦の星女学院と思しき建物があること、2) 彼女たちの右手に山が見えること の2点から、島郷海水浴場ではなく三津海水浴場だで間違いありません。加えて、下記ツイートにもある通り、劇場版の『Everything is here』のシーンとの合致を考えても、三津浜で問題ないと思います。
2期11話(閉校祭)の特殊EDの間奏部分と、劇場版の浦女から三津浜まで駆けていった後のシーン…
— ピカさりべ (@pika_saribe) 2021年5月2日
雲まで全く一緒だ…
しかもこの後の画角が、2期11話では砂浜へと引いていって、Aqoursの文字が波に消されるんだけど、劇場版では空へと伸びていって、白い鳥が9羽飛んでいくんだよ…#lovelive_sunshine pic.twitter.com/6eyN7tYvHz
また、
#7 劇場版「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」
7種類目となる「Aqours」の文字は、劇場版のエンドロールよりも後、最後の最後で登場します。Next SPARKLING!!のライブの少し後、「Aqoursの聖地」に訪れた2人の女子学生による会話を描いた場面です。
▲ 劇場版「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」より
この「Aqours」の文字を書いたのは2人の女子学生のうちAqoursに詳しい方だと考えてよいでしょう。書いているシーンは手元しか映っていませんが、この場にいるのはこの2人だけだと思います (2期7話の98人にこの2人をあわせて100人になるように、という酒井監督の話もありますから↓)。
筆跡は #6 と同様 "S" が大きい点が特徴的ですが、"u" が #6 とは異なり #3,4(ダイヤの筆跡) に近い大文字寄りの書き方になっているため、#6 の筆者とは別人と考えられます。
演出としては、
場所については、島郷海水浴場と三津海水浴場のいずれも考えられます。人によって意見の分かれる内容なので、材料のみ提示しておきたいと思います。
島郷海水浴場説の根拠は主に2つです。
まず、女子学生の「Aqoursの聖地」という言葉 (の解釈) です。Aqoursの聖地、と言えば内浦になるのかもしれませんが、AqoursがAqoursという文字を砂浜に書いたことが判明しているのは島郷海水浴場だけです。もしもAqoursというグループ名に決まった経緯が世間に広まっていたとすれば、Aqoursの名が誕生した地でAqoursという文字を砂浜に書くのが妥当だと考えられます。もっとも、ラブライブ!サンシャイン!!内の世界ではなく、現実に我々が生きている世界においては三津海水浴場で書かれていることの方が多い気がするので、この根拠はあまり強くありません。
次に、あるシーンから「Aqours原点の地は島郷海水浴場である」と制作陣が認められていると解釈できるためです。AQクイズ祭りQ23でも出題しましたが、劇場版の序盤で6人の練習を見た聖良が「30、いや20くらいと言っていいと思います」という厳しい評価を下したシーンがありました。この練習は島郷海水浴場で行われたもので、練習中に流れていた劇伴の曲名は『原点回帰でもう一度』でした。「原点回帰」は心境に加えメロディのことも指しており *1 、ここまで演出が揃ってくると「Aqours原点の地は島郷海水浴場」と言いたくなります。
▲ 劇場版「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」より
三津海水浴場説の根拠も主に2つです。
まず、こちらも「Aqoursの聖地」という言葉 (の解釈) です。現実世界でAqoursの聖地と言われると内浦と答える人が多いと思いますが、これはおそらくラブライブ!サンシャイン!!内の世界でもそうなのではないか、という推測ですね。
次に、紙飛行機の存在が挙げられます。「Aqours」の文字の上に紙飛行機が舞い降りてきますが、この紙飛行機はどこから飛んできたものでしょうか?紙飛行機が描かれたシーンを振り返るととても多く、だからこそラブライブ!サンシャイン!!の物語を考察する上では避けて通れない象徴的存在なので、ぜひこの方の記事などを参照していただきたいと思います。
数ある紙飛行機のシーンの中で、劇場版内でラストシーン以前に最後に登場したのは、幼少期の千歌が精いっぱい紙飛行機を投げるシーンです。
▲ 劇場版「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」より
ワンカットだと思い出しづらいと思うのでその前後のシーンを挙げておきます。Next SPARKLING!!のライブの前日、準備を仲間たちに託して浦の星女学院に別れを告げてきた後のシーンです。この紙飛行機を投げる場面の後、先ほども掲載した下記ツイートの右半分へと繋がっていきます。
2期11話(閉校祭)の特殊EDの間奏部分と、劇場版の浦女から三津浜まで駆けていった後のシーン…
— ピカさりべ (@pika_saribe) 2021年5月2日
雲まで全く一緒だ…
しかもこの後の画角が、2期11話では砂浜へと引いていって、Aqoursの文字が波に消されるんだけど、劇場版では空へと伸びていって、白い鳥が9羽飛んでいくんだよ…#lovelive_sunshine pic.twitter.com/6eyN7tYvHz
この紙飛行機と最後に舞い降りた紙飛行機が同じであるかはわかりませんが、少なくとも紙飛行機が劇場版内で象徴的に描かれたシーンの舞台は三津海水浴場だったわけなので、やはり最後のシーンも同じ三津浜だろう、という論です。
(ちなみに、最後のシーンの紙飛行機だけは、あの「0」の紙であることがしっかりと描かれており、このことはあらゆる考察に活きてくるような気がします。)
▲ 劇場版「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」より
最後に
繰り返しとなりますが、これ以上の細かい考察はどなたかに託したいと考えています。ぜひこの記事を参考に、ご自身で考察を深めてくだされば幸いです。いつか皆さんからのメッセージが私のもとに届けばいいな、そんな願いを、締めくくりに代えさせていただきます。最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
*1:『原点回帰でもう一度』は、『Main theme of Lovelive! Sunshine!!』と『FRIENDSHIP』のアレンジに始まり『夢を飛ぶ紙飛行機』で終わります